小さな国語塾のつぶやき
武士の心構え
「武士は食わねど高楊枝」とは、たとえ貧しい境遇にあっても、貧しさを表に出さず気位を高く持って生きるべきだということ。また、やせ我慢することのたとえ。名誉を重んじる武士は、貧しくて食事がとれない時でも満腹を装って爪楊枝を使うことから。「武士に二言はない」とは、武士は信義と面目を重んじるものだから、一度口にしたことばを取り消したり、約束を破るようなことはしないということ。 正直言って、これらの諺が示す心構えに対して若干懐疑的というか「恰好よすぎる」「人間、究極の事態に陥ったらそんな恰好のいいことを言ってられない」などと思っていた。が、「今は昔・・・」の書き出しで始まる「今昔物語集」を読むと武士の心構えというのが、生死をかけて戦いをする人間の間にのみ培われている感性だということが分かる。だからこそ、貴族や現代の人間には若干?理解しがたい部分もある。
2014/08/31 09:51
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