小さな国語塾のつぶやき
読み比べ
読書の楽しみは多々あるが、そのうちの一つが文章から自分で自由に想像しながら現実とは違う世界に入っていけることだと思う。人によってジャンル等の好みは分かれるだろうが、自身としてはノンフィクションに近いものが好きである。なぜなら、内面描写が少ないため、自由に想像できるからである。さて、芥川龍之介は「今昔物語」の説話を題材にして「鼻」「羅生門」「芋粥」等々の名作を残している。今昔物語が内面描写が少なく荒削りの迫力をもつのとは対照的に、こちらは内面描写に重点を置き、普遍的な人間性をシニカルに描き出しており、好みは別として読み比べると面白い。同じテーマを扱った別のものを読み比べるのもまた興味深い。
2014/09/03 13:07
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