小さな国語塾のつぶやき
仲秋の名月
昨夜は美しい仲秋の名月を見ることができ、本当に感動し「北海道は空がきれいだから・・・最高!関東では曇っててみえなかったらしいけれど」と妙な優越感にまで浸っていた。月といえば、あまりにも有名なのが「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも(大空をはるかにあおぐと、月が美しく輝いている。あれは私の故郷、春日の三笠山にかかる月と同じものなのだ。)」百人一首でもおなじみのこの歌は遣唐使として唐に渡り、玄宗、肅宗、代宗の三人の皇帝に仕えた安倍仲麻呂が詠んだもの。ふと、これはいつの季節だろうと思い調べてみたところ、仲秋の名月ではなく仲冬(十一月←旧暦)の名月、つまり12月15日ごろだとか。寒い中、ようやく日本に帰れる・・・・と喜んだのもつかの間、日本へ向かった船は途中暴風に遭って難破、安南(ベトナム)に漂着し、再び唐に戻ることを余儀なくされ結局日本に戻ることなく唐で一生を終えた仲麻呂。「仲秋」と「仲冬」、「新天地で月をみえることの喜び」「望郷の念」といった自身と仲麻呂との対比を楽しんだ夜であった。
2014/09/09 01:51
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