小さな国語塾のつぶやき
「花鳥風月」「花鳥諷詠」
秋といえば紅葉、日本は四季がはっきりしているため一年を通して様々な自然の景色を楽しむことができる。また、特に北海道は自然豊かな土地なので、わざわざ行楽地に行かなくても日常的に紅葉の景色を堪能できるので本当に幸せである。さて、そんな美しい自然をあらわす言葉として「花鳥風月」がある。いうまでもなく、これらのすべてが自然の美の代表で、花を観、鳥の声を聴く風雅さが日本の心だ、というのがその意味である。この四字熟語は、室町時代初期の能楽師、世阿彌の造語だと言われている。また、「花鳥風月」に似た言葉の「花鳥諷詠」は、高浜虚子が1927(昭和2)年に主唱した俳句作法上の理念で、ホトトギス派の指導方針ともなった。春夏秋冬の自然の推移、それに伴う人事界の動向を客観的に諷詠するのが俳句の本道であると説いた。「花鳥風月」「花鳥諷詠」ともに日本人の文化的思想をあらわした素晴らしい四字熟語だと言える。
2014/10/13 03:39
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