- 2015-06-24 (水) 21:44
- ワンダーFULL TOKACHI | 未分類
- 投稿者:ケラアン
フシコベツ花の小径(帯広市)
帯広市内、国道38号線から北側。住宅街の中を縦横無尽に走る細い道がある。
道の名は『フシコベツ花の小径』
幹線道に分断されながらも西へ向かって続く小径。
通勤時によく見かける入口(?)から先を望むとカーブや緩い傾斜の敷石畳が続き、建物の間をひたすら自由に延長している様子が伺える。
区画が碁盤の目のように整った帯広市内の道とは異なるおもむきで、歩道用の道ではあるが、通学路専用という様子ではない。
通勤の道すがら気になっていたこの道を自分の足で歩いてみた。
どこから始まり、どこまで続くのか
先が見えないながらワクワクする道。
その起点を探すことから始めました。
始まりらしいところは、啓北小学校裏手の伏古別川。小径の名前もフシコベツだからここが起点と思われる。
川の中には人が渡れるように(橋も近くにありますが)飛び石が置かれており、向こう側は校庭と川の間の川沿いの道に変わりますが、はじまりは、やはり「伏古別川」からが正しいと思う。
そこから道は、カーブを描きながらクネクネと曲がり、次は直線になる。規則性があるようで無い。
その道筋の意図に不思議な感じがする。
たぶんカーブの連続を作ることにより自転車がスピードを出しすぎないようにとの考えだろうか…。
ほどなく幹線道(北4丁目~5丁目間)を横断。(横断注意)
始めの『フシコベツ花の小径』の表示を確認。
住宅街の中を続く小径なので、密集しているようですが高い建物は少なく開放感がある。
幹線道からは見えない一般のお宅の庭先を縫うように道があるので、ホッとする独特な景観。小径の両側…いや、道だけではなく各家々の庭も一帯となっているようだ。
それは沿線の庭が良く手入れされているということです。この頃のオープンガーデンといった公開式の庭が流行る以前から、ここはオープンガーデンと言っても良い区間だったのでしょう。
小径と庭の一体感。季節により花も変わる。この彩りが変化してゆく眺めは爽快でウォーキングにも最適。
むしろ利用しないのはもったいないw
道はやがて玄武通通り、チョマトー沼の北側交差点と交差し、さらに南西へと向かう。(信号有り)
向こうへ渡った先は、しばらく公共施設・企業施設などが続き、管理が行き届いているとは言えませんが、眺望と路そのものは、しっかりと十勝路の眺めを演出するがごとし直線が続いている。
やがて小径は再び住宅街の中を縫うように続き…でも小径の様子は変わってきました。
レンガの路は、コンクリートの石畳に変わってきた。(景観も少々閑散としてくる)
ここで大問題!
「路が消えた…」
報和通り(西16条~17条間)を横断する手前から小径は途切れるように消えていた。
「あれ…? この小径は、こんなものでは無かったはず…」
幹線から見た小径の反対側からすると「フシコベツ花の小径」は、まだ西へ続いていたはずです。
付近を探して歩くも延長部は確認できず。(後で地図で確認したところ、この付近で小径はたしかに消失している)
やむなく、確認済みの栄小学校北側を通る小径の延長へ。
この延長も『フシコベツ花の小径』の表示があるので小径の一部に間違いない。
花の小径の名ににふさわしい景観が戻ったところで右手側にコンクリートブロックの擁壁(ようへき)が眺めに加わってきた。右手側と左手側の土地では高低差があるようです。
ほどなく道は帯広北新道(フロンティア通・国道241号線 西17~18条間)へ
先は大きな道に阻まれて行き止まりとなっていたようです。
「ここで小径は終わりなのか…」
そう思いつつ、フロンティア通りの対岸を捜索することに。
ところが向こう側にあったのは小径ではなく、「はくゆう公園」。
小径は公園に姿を変えたようです。
でも公園の一部に痕跡を見かけた。あれは対岸で見たコンクリート製の擁壁と似た物だw
跡を辿ると細長い公園の先に小径の延長を発見。
しかし小径はまたも阻まれて工場団地に突き当たることに…。
向こう側への延長を求めましたが確認できませんでした。
どうやらここまでが「フシコベツ花の小径」の全体のようです。
それにしてもこの小径の順路は、どのように形成されたのでしょうか?
その経緯を帯広市史、都市計画資料等で探してみましたが的確な答えは見いだせませんでした。
その答えを教えてくれたのが小径沿いのお宅で花の手入れをしていた方です。
「この道は、昔小さな川だったんですよ。ほとんど水は流れない事もあるほど小さな流れだったんですけどね…」
この小径は、もと小川だった─。
あらかじめここに存在していた川だったので、沿線の家々は川に沿って立ち並び、川から置き換えられた小径は家並の間を自由に走る道のように感じていたのです。
現在の小径を川筋とすると、その距離はウォーキングカウンターの合計では、約1.5㌔。
小径は伏古別川に注ぐ短い小さな支流が変じた姿だったということになる。
それにしても驚くほど短い川だったようです。
果たして、その川に名前はあったのでしょうか。
流れが消えることも途切れることもあった川─。
もうひとつ奇妙に思えたこと─
「フシコベツ花の小径」の基点(川としては合流点)になる伏古別川。
その起点は現在の地図で確認すると17条あたりで消失していますが、実際にその川筋はその辺りで消失している。
でも、流れはあるのです。(十勝川の堤防に阻まれているが十勝川の伏流水が流れ込んでいるのかも)
古い時代、十勝川は帯広市内沿いのあたりも良く氾濫し、場合によっては国道38号線辺りまで水が迫ったこともあったといいます。
市内を流れる別の川、「ウツベツ川」もその名前は「肋骨のように枝分かれした川」の意味を持っている。
そうした川のひとつがこの「小径の川」なのかもしれません。
水が枯れた川
水は確かに枯れてしまいましたが、花が流れのように広がり、その流れを愛でるように人もせせらぎのように行き来しているのです。
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