ほのかな香りと濃厚な味を楽しむ

 多くの観光名所が点在する十勝の鹿追町。大雪山国立公園を有するこの町には、心豊かな気持ちになる神秘的な伝説も多く残されています。神秘の土地で15ヶ月以上にもおよぶ長い眠りから覚める魅惑のナチュラルチーズは、長期熟成によってアミノ酸の旨味が最大限に引き出され、生きた乳酸菌を豊富に含んだ濃厚な味を秘めているのです。

 この濃厚さを閉じ込めた白い美味しさの塊、和食や日本酒とも相性が良く、地元帯広で開催されている日本酒のパーティー、毎回恒例のメニューとしてこのチーズが提供されています。日本人にとってはどうしても洋食のイメージが根強く、カットしてワインのお供にしたり、ピザで食べるのが一般的なチーズ。実は、和風の創作料理にもおススメの食材だということを是非知って頂きたいところです。

鹿追チーズ工房は、熟成期間が長いハードタイプの濃厚なチーズを得意としています。香り控えめの奥深い濃厚さが最大の特徴です。この濃厚で香り控えめなチーズだからこそ、和を意識して商品化した“わさび醤油”や“青のりゴーダ”など、日本の香り高い薬味が素晴らしい相性で、発売からのヒット商品となっています。

勘違いだったチーズ嫌い

帯広市出身、映画やアニメでも話題になった「銀の匙」の舞台でもある帯広農業高校出身の井上社長。高校卒業後大手乳業メーカーに就職し、子どものころからチーズ嫌いだったのにも関わらずチェダーチーズの製造に配属されたそうですね。そんなチーズ嫌いだった井上社長が、なぜチーズづくりに魅せられるようになったのでしょうか?

製造に携わるようになり、チェダーチーズの味を知って、食べられるチーズもあるんだなぁって就職して初めて気がついたんです。食べられないのはプロセスチーズで、ナチュラルチーズってこんなに美味しいんだぁって感じでしたよ。現在ではチーズづくりをはじめて30年以上が経ち、より美味しいチーズ作りを追求する毎日を送っています。

チーズ工房の社長がチーズ嫌いだったなんて、面白いエピソードですよね。それが今や地元のみならず、多くのチーズ好きを唸らせる商品をお届けしているなんて、驚きと同時に感動してしまいました。味・香り・食感とこだわりいっぱいの「鹿追チーズ工房」ならではの美味しいチーズですが、作るうえでの秘訣はどんなことですか?

チーズは繊細なので細心の注意が必要なんですよ。だからお昼も休むことなく、とにかくチーズと向き合うしかないんです。これが美味しいチーズを作り出すルール。しっかりと理想通りのチーズに仕上げないと、長期熟成に耐え、旨味が凝縮されるチーズは育ちません。15〜25ヶ月もの長い時間熟成庫の中で眠っているかのように見えるチーズ達は、乳酸菌の働きのおかげでタンパク質が徐々にアミノ酸の旨味に変わっていきます。深みのある濃厚なチーズへと成長を遂げるのです。

ただ熟成すればいいわけではなくて、そこには様々な工夫と目配り、チーズへの熱意が重要だということですね!美味しさを引き出すために製造期間1年以上をかけたチーズの超大作。今では遠方からも訪ねてくる人が多いとのことですが、希少性の高い商品なだけに、出会えればラッキー!と思っていた方が良さそうですね。

長期熟成の商品は、パッケージの“熟”のマークが目印です!このほかにも、大人気のわさび醤油(モッツァレラ)や青のりチーズ(チェダー)など、日本酒や和食のお供にぴったりな和風のチーズも数多く販売しています。どの商品も鹿追チーズ工房にしかない、オリジナル商品です。そのまま食べてももちろん美味しいですが、サラダに混ぜたりサンドイッチにしたりと、新しい食べ方を考案するのも楽しいですよ。

井上社長はご自身でおせち料理を作るそうですが、そこには必ずナチュラルチーズの一品を盛り込むとうかがいました。チーズがいつも食卓に並んでいる新しい日本食スタイルが一般的になるのも間近かもしれないですね。ここまでチーズづくりについてのお話を聞かせていただきましたが、井上社長ご自身の未来への目標はありますか?

後継者を考えなきゃ!次を担う人を育てて、はじめて自分の仕事を終わらせることができるような気がするんです。チーズ嫌いだった子供の頃には、今の職業は想像もつきませんでした。今となっては、すっかりチーズ好きになってこの味この技術を次の世代に伝えることを一つの区切りと考えています。鹿追チーズ工房の製造方法には秘法があり、他にはない熟成方法で美味しさを支えています。長期熟成のハードチーズの割に柔らかいチーズが完成する訳がここにあります。

長期熟成されたナチュラルチーズは、アミノ酸が多いのはもちろん、カルシウムも凝縮され、生きた乳酸菌なども含む栄養成分に優れた食材です。最近は高カロリーのイメージも払拭され、逆にダイエット食としてチーズが紹介されることも目立つようになってきました。和食・洋食問わず食卓に彩りを添える一品として、鹿追チーズ工房の商品をぜひ味わっていただきたいですね!

 一旦作業に入るとひたすら作り続けて9時間。繊細なチーズに細心の注意を払いながら、出来上がるまで片時も目が離せません。「季節によっても微妙に違った味が完成するのが面白い」と井上社長。

 濃厚な味が自慢のハードタイプのチーズ。ホロホロと崩れてしまいそうなくらい熟成され、深い味とまろやかさが特徴です。

鹿追チーズ工房

〒081-0343
河東郡鹿追町瓜幕南2丁目26-2
TEL 01556-7-2537

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プレミアムチェダー 熟[2個入]

3,310円(税込・送料込)

独特の風合いが魅力で、工房でも大人気のチーズです。10℃以下に保たれた熟成庫のなかで、15ヶ月もの時間をかけて丹念に熟成されたチェダーチーズは、アミノ酸の旨みと熟成されたチーズの濃厚さを楽しめます。

チェダーチーズ[2個入]

2,820円(税込・送料込)

ひとくち食べれば濃厚な味わいと奥深いコクが口の中で広がります。チーズ好きには是非味わっていただきたい逸品です。

購入先 「食べレア北海道」はこちら